「給与計算に無料のソフトは使えるのか?」「無料の給与計算ソフトのメリット・デメリットは?」と気になっていませんか。
結論、無料の給与計算ソフトやクラウドツールは存在します。
しかし無料の給与計算ソフトにはデメリットもあるため、利用する前になぜ無料なのかを詳しく知っておく必要があります。
無料の給与計算ソフトのデメリットを理解したうえで、無料ツールと有料ツールを比較することをおすすめします
無料の給与計算ソフトやクラウドツールには多数の種類があり、導入を検討する際には迷うことでしょう。
そこで本記事では、期間限定、機能や人数限定など、さまざまなタイプの無料の給与計算ソフトについて具体的に紹介します。
さらに期間限定で利用できる無料のソフトは、いずれ有料ソフトに移行することが考えられます。
そこで最初から有料ソフトとの比較検討も行うことを想定し、給与計算の有料クラウドツール『RoboRoboペイロール』も紹介し、無料ソフトとの比較を行いました。
【監修者のご経歴】
社労士試験合格後、社労士事務所勤務を経て、ソフトバンクグループのシェアードサービス企業で給与計算業務に携わるとともに人事システムの保守・運用を担う。
その後、人事業務のアウトソーシングサービスを提供する企業の立上げに参画。主に業務構築、システム運用に従事。
その他、人事領域以外のアウトソーシング企業等での勤務も経験し2019年に独立。現在、人事システムの導入支援を中心に社労士としていくつかの顧問企業の労務面のサポートを行う。
1 給与計算に無料ソフトはおすすめ?無料の給与計算ソフトを使う前に知っておくべきこと
給与計算には自動的に計算してくれるソフトを使うのが有効です。
給与計算ソフトとしてPCにインストールするソフトのほか、クラウドツールが普及しています。
無料の給与計算ソフトについて調査したところ、さまざまな無料形態のソフトやクラウドツールがあり、最近はクラウドツールが主流となっています。
クラウドツールにも安価なランニングコストのものがありますが、中には無料のソフトやクラウドツールがあり、給与計算に使えるのか、必要な機能があるのかと疑問に思う方も多いことでしょう。
給与計算ソフトがなぜ無料で提供されているのか、機能や使用にあたっての制限はあるのかといったポイントを解説するため、無料の給与計算ソフトを使う前に理解しておきましょう。
①給与計算ソフトが無料な理由を知っておく
無料の給与計算ソフトには、なぜ無料で提供されているサービスがあるのでしょうか?
もちろんコストを抑えるために安いに越したことはなく、インターネットの分野ではさまざまな無料ツールが開発され提供されています。
無料の給与計算ソフトには、それぞれ無料にする理由があることを知って、割り切って使うかどうかを検討することが必要です。
給与計算ツールで、無料で提供されているものを調査し(2023年3月調査)、調べた無料ツールをタイプ別に分類しました。
無料で提供されている理由を提供形態などのタイプ別に解説します。
⑴ソフトの機能が限定されている
無料の給与計算ソフトで一番多いタイプが、機能が限定されているソフトです。
たとえば年末調整ができない給与計算ソフトや、勤怠ツールと連携できず、手作業で勤怠データを集計し、入力しなければならないといったものです。
さらに、給与明細の作成ツールであって、入力した数値に基づいて自動計算はできるものの、従業員データなどが蓄積されたデータベースをもたないため、毎月データを入力しないといけないといったタイプもあります。
従業員情報のデータ管理をしていないため、基本給、時間給などの設定を記憶しておくことができなければ、業務を効率化できる効果も限定的です。
多くの場合、このタイプの無料の給与計算ソフトでは、限定機能を解除するために有料ツールへ移行しなければなりません。
つまり有料の給与計算ソフトを使ってもらうための、潜在顧客獲得のための無料ツールという位置づけです。
⑵期間限定で無料利用ができる
無料で提供される給与計算ソフトで、機能限定と同様に多いのが、期間限定で無料のタイプです。
つまり無料期間が終了すると、有料プランに移行するか、使えなくなるかの選択となってしまいます。
無料の給与計算ソフトでは、期間が終了しても利用を継続したい場合には有料ツールに移行しなければなりません。
つまり有料の給与計算ソフトを使ってもらうための、顧客獲得のための無料期間という位置づけです。
反対に、コストをかけずに実際の給与計算ソフトを試せるという点はメリットとも考えられるでしょう。
中には初年度無料のツールもありますが、無料期間が3か月、中には1か月だけのものもあり、初月が無料なだけでは「無料ソフト」とはいえません。
期間限定で無料のタイプは、有料ツールを販売促進するための割引期間と考えるべきでしょう。
⑶無料で利用できる人数が限定されている
無料で利用できる人数が限定されているタイプも、給与計算ソフトには多くあります。
利用人数には、給与計算担当者の数(利用者ID)を制限するものと、給与計算の対象となる従業員数を制限するものとがあり、両者の併用もあります。
さらに、機能限定と期間限定、人数限定が同時に適用されている無料ソフトも少なくありません。
当然、利用者の人数が増えれば有料ツールに移行する必要があるため、無料ソフトの提供者にとっては、企業が成長すれば顧客獲得に結び付くというメリットがあります。
ユーザーによっては、ごく少人数でずっと事業を継続する場合などには利用できるかもしれません。
⑷広告費で収益を得ている
調査した中では、機能や期間に目立った限定はないにもかかわらず、無料で提供されている給与計算のクラウドツールもありました。
しかし無料ツールを提供するには、無料である理由や目的がある可能性が高いため、利用規約を確認するなどの注意が必要です。
ある無料の給与計算クラウドツールの利用規約を確認したところ、広告収入などで収益を得ていることがわかりました。
個人を特定されないように情報を加工したうえで、興味や関心に合った広告の表示や、利用者同士のマッチングなどに個人情報を利用することが書いてあった事例もあります。
②無料ツール利用の注意点を知っておく
以上のように、無料で提供される給与計算ソフトには、無料とされている理由があります。
したがって割り切ったうえで利用を検討することのほか、次の注意点も確認していきましょう。
⑴無料給与計算ソフトと有料ソフトを比較検討しておく
無料の給与計算を使用していると、さまざまな理由から有料ツールに移行せざるを得なくなることも考えられます。
したがって、事前に他の有料ツールとも比較検討することが必要です。
有料ツールでも、安いランニングコストで利用可能な、より高機能なクラウドツールも存在します。
無料の給与計算ソフトを利用する際に併せて確認することで、比較検討がよりスムーズに行えます。
⑵サポートが限定されている
これまでに説明したどのタイプでも、無料ソフトでは、法改正対応なども自分で行う必要があるものが多く、サポートを行っていない、もしくは限定的です。
給与計算には法改正や、労働保険料・社会保険料の料率変更もあるため、注意が必要です。
なお、無料の表計算ツールや、Excelのような有料でも給与計算専用ソフトではない汎用的なソフトでも、給与計算はできます。
しかしこの場合にも、給与明細の作成はできますが、計算式などの設定は自分で行う必要があります。
従業員情報などを記録しておけるデータベースをもたないため、毎回入力する必要があると注意しておきましょう。
③無料の給与計算ソフトで使える機能を知っておく
無料の給与計算ソフトでは、ツールによって使える機能と使えない機能とがあります。
使えない機能については、自社で手作業で行うか、別途アウトソーシングで発注するか、別のツールを導入するかといった選択ができます。
機能① 従業員情報・給与規定の設定・保管・更新
給与計算をするためには、従業員の氏名・年齢・住所・役職・家族構成などの従業員データが必要です。
さらに固定給、能力給、時間給、残業代などの給与計算の基準値や、家族手当・通勤手当などの各種手当、複雑な給与計算に対応した計算式を設定しなければなりません。
これらをもとに支給金額を算出し、そこから控除金額を算出します。
控除には、源泉徴収金額、労働保険料・社会保険料のほか、企業により財形、持株会、社宅費などがあるでしょう。
設定を保管しておく機能がなければ、毎回の手入力となってしまいます。
給与明細作成ツールのタイプでは、入力した数値をもとに自動計算はできますが、毎月、同様の作業を繰り返すことになり、給与計算ソフトを利用するメリットが非常に少なくなることに注意しましょう。
機能➁ 従業員情報・勤怠情報の取り込み
給与計算には勤怠管理データも必要です。
出勤日数のほか、残業代の計算や、時給計算など時間給が適用される雇用契約の従業員の給与計算には欠かせません。
勤怠管理には、出勤簿などの手作業での記入や、従来のタイムカードでの記録・集計方法もあります。
近年ではスマホやPCで入力する勤怠管理システムなど、デジタルデータで記録する方法が普及しています。
しかし勤怠データがデジタル入力であっても、給与計算システムに勤怠データを取り込めるものでなければ、毎回手作業で集計、入力しなければならず、ミスも起きやすくなります。
機能③ 給与・賞与・給与形態に対応した自動計算
自動計算機能は無料ソフトにもあるでしょう。
ただし近年は、複雑な給与体系や、フレックスタイム制、裁量労働制などの変形労働時間制も増え、対応した計算式が設定できるかどうか、確認が必要です。
有給休暇なども計算に反映する必要があり、機能が限定された無料ツールでは、結局のところ手作業が増えることが大半です。
機能➃ 所得税・各種控除の自動計算
所得税や労働保険料・社会保険料などの控除金額を、自動計算する機能自体は無料ソフトにもあります。
ただし、各種の控除項目は人事データに関連しているため、手計算でデータ入力しなければならないツールが多いです。
データベースからデータを取得する機能が欲しくなる可能性が高いため、メリットが得られない方も多いでしょう。
機能⑤ 給与明細・各種帳票の作成
毎月の給与明細は、無料ソフトでも作成可能です。
ただし給与計算業務は給与計算だけでは終わりません。
例えば、源泉徴収した所得税・住民税は集計して納付しなければなりません。
労働者名簿、賃金台帳など労働基準法で保管が義務づけられている書類や、社会保険料などの手続きに必要な集計表、給与支払報告書、源泉徴収票などの、各種帳票が必要になります。
無料ソフトでどこまでの帳票作成に対応しているか、確認しておきましょう。
有料の給与計算ソフトでは、安価なクラウドツールでもWeb明細配信機能や、データの保管機能などがあり、無料ソフトと有料クラウドツールを比較検討するのがよいでしょう。
機能⑥ 年末調整機能
年末調整は、毎月給与からの天引きで徴収した従業員の所得税の年間合計と、実際に一年間の収入に対し課税される確定した金額で算出する所得税との差を調整する作業です。
税額計算のため、従業員に書類を配布し、回収して、配偶者控除・扶養控除や、生命保険料控除、住宅ローン控除などを算出する、特に面倒で手間のかかる業務です。
多くの無料ソフトでは、年末調整機能がないか、限定された機能に限られます。
別途、年末調整のためのソフトを利用するか税理士や社会保険労務士などに外注しなければなりません。
『RoboRoboペイロール』のように、最初から社会保険労務士による毎月の給与計算結果のチェックや、年末調整などの業務代行、法改正の対応があるクラウドツールもあります。
トータルのランニングコストで考えると、最初から有料ツールにしたほうが安い場合も多く、比較検討が必要といえます。
機能⑦ 社会保険・雇用保険の計算
従業員の雇用保険料・社会保険料は、支給額に応じて決定した金額が通知され、給与計算ソフトに従業員ごとの金額を入力して、給与計算を行います。
付随する業務として、社会保険料は毎年一回、算定基礎届の提出を行うほか、一定の昇給があった人については月額変更届を提出しなければなりません。
そのために帳票作成が必要なほか、提出書類を作成する業務があります。
無料ソフトには書類作成機能がないものも多く、提出については社会保険労務士に依頼することが必要です。
機能⑧ 法改正の対応・専門家チェック・業務代行
社会保険労務士は、給与計算や労務管理の専門家です。
もちろん専門家に依頼するのには費用がかかるため、無料ソフトに社労士のチェックや法改正での業務代行などが付属することはありません。
給与計算業務では、実際に頻繁に法改正や、社会保険料などの料率変更などがあります。
変更を反映して設定変更を適切に行わないと、給与計算や控除でミスを防げない可能性があります。
無料ツールを使っている場合でも、別途、社会保険労務士を探して業務を依頼することは可能です。
ただ、給与計算クラウドツールに専門家チェックなどが付属していれば、クラウドツール上からシームレスに依頼ができるため、給与計算担当者にとっては便利です。
④給与計算ソフトのデータ保管と移行ができるか知っておく
無料の給与計算ソフトでは、期間限定、機能限定、あるいは利用できる人数が限定されていることがほとんどです。
そのため有料ツールに移行したくなることも多いでしょう。
無料の給与計算ソフトから有料の別のソフトに変更するためには、これまでのデータを移行できるのかが問題となります。
データ移行するためには、入力したデータのエクスポートができなければなりません。
有料の給与計算ソフトを利用していて、その無料期間という場合にはデータのエクスポートができるものも多くあります。
ただ、無料ツールのみを提供していたり、データの保存期間がもともと短い無料ソフトでは、データの移行ができないこともあるため注意しなければなりません。
⑤無料ソフトを使えば給与計算業務が無料になるわけではない
無料ソフトは、利用するのに費用がかかりません。
しかし給与計算業務には、無料ソフトでは対応できない業務がいろいろあります。
多くの無料給与計算ソフトでは、年末調整に対応していません。
年末調整では、従業員に各種控除を受けるための申告書類を配布し、回収する作業のほか、煩雑な計算業務が発生します。
無料給与計算ソフトにない機能は、別途、対応したソフトやツールを利用するか、アウトソーシングを利用するという作業手順が必要です。
無料給与計算ソフトでは機能が限定されているため、手作業で行う業務が増えるということは、人員が余計必要になるということでもあります。
社労士など専門家によるチェック、社会保険の月額変更届、算定基礎届などの提出など、追加で発生する業務には、費用がかかるものもあります。
無料ソフトを使う場合でも、結局は外注や別ソフトの使用が増えるなどして、外注費、人件費などのコストも考慮した給与計算のトータルコストでは、必ずしも無料とはなりません。
有料のクラウドツールとも、料金や機能比較をすることがおすすめです。
2 無料で使える給与計算ソフトおすすめ9選を徹底比較
ここからは、無料の給与計算ソフトの具体例を実際に見ていきましょう。
※2023年3月24日時点 機能やサービス内容が変更になることもあります。最新の情報を公式サイトでご確認ください。
また、有料のクラウドツールもおすすめしていますので、『RoboRoboペイロール』を比較対象に加えました。
無料ソフトを比較するなかで、有料ツールとの比較のご参考になれば幸いです。
2-1 【機能限定・人数限定】無料で使える給与計算ソフトおすすめ6選
無料の給与計算ソフトのうち、期間限定のものは実質的には有料ソフトの無料期間といった性格があります。
そこで初めに、これらを除いた機能限定・人数限定の無料ソフトを紹介します。
←スマホの方は左右にスクロールできます→
概要 | 無料期間 | 有料移行後の料金 | 勤怠データ連携 | 機能制限 | サポート | 専門家チェック・代行 | |
RoboRoboペイロール | 人数制限なし | ※有料 | 1人あたり1,000円 / 月~ | 勤怠システムから自動データ取り込み | 制限なし | 導入から運用までフルサポート | 社労士一次チェック 業務代行 |
フリーウェイ給与計算 | 5人まで無料 | 期間は限定なし | 6人以上は月額1,980円 | 勤怠管理システム 「フリーウェイタイムレコーダー」が必要 |
制限なし | サポートなし | 公式サイトには特に記載なし |
ジョブカン給与計算 | 5名まで無料、 | 期間限定なし | ユーザー1名につき400円/月 (従業員数無制限) |
データ連携機能なし | 有料版でも「ジョブカン勤怠管理 / 労務HR」が別途必要 |
チャットサポートなし | 公式サイトには特に記載なし |
PayBook | フリー 無料 (ユーザー1名、従業員10名まで) |
期間限定なし データ保持期間は3か月 |
スタンダード(給与管理、会計担当者) 1,000 円/月 10,000 円/年 |
公式サイトには特に記載なし | 年末調整データ出力ができない (有料版でも年末調整機能なし) |
メール問い合わせ | 公式サイトには特に記載なし |
円簿給与 | 人数制限なし | 期間限定なし | 公式サイトには特に記載なし | データ連携機能なし | 個人情報を加工して広告配信、 マッチング等に利用 |
公式サイトには特に記載なし | 公式サイトには特に記載なし |
給与明細.net | 人数制限なし | 期間限定なし | 弥生の給与明細オンライン 5,400円/年~ |
データ連携機能なし | 月々の明細作成のみのツール | 公式サイトには特に記載なし | 公式サイトには特に記載なし |
給与ねっと | 人数制限なし | 期間限定なし | freee人事給与 3,980円 /月~ |
データ連携機能なし | 月々の明細作成のみのツール | 公式サイトには特に記載なし | 公式サイトには特に記載なし |
①フリーウェイ給与計算
「フリーウェイ給与計算」は、有料クラウドツール「フリーウェイ給与計算」の無料版です。
有料版と別のツールではなく、従業員5人まで永久無料をうたい、6人以上は有料版となり、グループ企業にも対応しています。
引用:フリーウェイ給与計算
⑴ランニングコスト
従業員5人まで永久無料
⑵有料ツール移行後の料金
6人以上は月額1,980円で、人数制限はありません
グループ企業にも対応
⑶無料期間
期間に限定はありません
⑷勤怠管理データ・従業員データとの連携
勤怠管理システム「フリーウェイタイムレコーダー」が別途必要です
勤怠情報を取得して給与計算に利用できます
⑸機能制限
特に制限はありません
⑹サポート
無料版には、操作サポートサービスがありません
⑺入力データの専門家チェック・業務代行
給与計算データの専門家チェックについて、公式サイトに特に記載はありません
⑻総合評価
もともと有料ツールのため、従業員データを管理でき、WEB給与明細や、振込用の全銀データの出力、算定基礎届・月額変更届など社会保険の書類作成など、機能は豊富です。
給与計算や年末調整時のアウトソーシングについて、公式サイトに特に記載はなく、
必要に応じて別途、社会保険労務士などに依頼する必要があるでしょう。
②ジョブカン給与計算
「ジョブカン給与計算」は、中小企業向けに提供される有料のクラウドツールで、従業員5名までは、一部に機能制限のある無料版も提供しています。
人事労務、勤怠管理などのツールも提供しています。
引用:ジョブカン給与計算
⑴ランニングコスト
30日間無料お試し
5名まで無料(一部機能制限)
⑵有料ツール移行後の料金
ユーザー1名につき400円/月(従業員数無制限)
⑶無料期間
期間に限定はありません。
⑷勤怠管理データ・従業員データとの連携
無料版には、勤怠管理や従業員データとの連携機能がありません。
有料版ではデータ連携が可能です。
ただし「ジョブカン勤怠管理」、「ジョブカン労務HR」、「ジョブカン年末調整」などは別途、費用がかかります。
⑸機能制限
無料版ではデータ連携機能がありません。
⑹サポート
無料版には、チャットサポートサービスがありません。
⑺入力データの専門家チェック・業務代行
給与計算データの専門家チェックについて、公式サイトに特に記載はありません。
社会保険労務士・税理士・会計士などの専門家を「認定アドバイザー制度」として紹介しています。
依頼には別途費用がかかります。
⑻総合評価
もともと有料ツールのため、従業員データを管理でき、WEB給与明細や、他のツールと併用した各種のデータ連携、振込用の全銀データの出力、算定基礎届・月額変更届など社会保険の書類作成など、機能は豊富です。
給与計算や年末調整時のアウトソーシングについて、公式サイトに特に記載はなく、必要に応じて別途、社会保険労務士などに依頼する必要があるでしょう。
③PayBook
「PayBook」は、年末調整機能をあえて省いたシンプル設計の有料クラウドツールで、従業員数10名までの無料版が利用できます。
引用:PayBook
⑴ランニングコスト
無料(ユーザー1名、従業員10名まで)
⑵有料ツール移行後の料金
- スタンダード(給与管理、会計担当者) 1,000 円/月 10,000 円/年
- プロ(税理士、社労士) 3,000 円/月 30,000 円/年(顧問先3社以上の登録により無料)
⑶無料期間
期間に限定はありません。
⑷勤怠管理データ・従業員データとの連携
公式サイトには特に記載がありません。
⑸機能制限
データ保持3か月。
年末調整のためのデータ出力機能が無料版にはありません。
有料版でも、年末調整や算定基礎届のシステムをあえて組み込まず、その代わりに税理士や社会保険労務士が現在使用しているシステムにデータをインポートする機能を標準としています。
⑹サポート
有料版には、メール問い合わせでのサポートがあります。
⑺入力データの専門家チェック・業務代行
給与計算データの専門家チェックについて、公式サイトに特に記載はありません。
別途、社会保険労務士などの専門家に依頼する必要があります。
⑻総合評価
給与の自動計算、給与のCSV出力、年末調整ソフト用データ出力、給与明細のPDF出力、給与明細の個別メール送信、給与明細の自動一括メール送信が可能です。
年末調整には対応しておらず、計算をするためのデータ出力までの対応となっているため注意が必要です。
④円簿給与
「円簿給与」は、広告収入などを得る目的で、個人情報を加工して特定できないようにしたうえで、ユーザーの関心にマッチした広告表示や、ユーザー同士のマッチングが可能な利用規約に同意したユーザーに対し、給与計算ツールを無料で提供しています。
引用:円簿給与
⑴ランニングコスト
無料。
⑵有料ツール移行後の料金
広告収入等を得る目的でツールを提供しているため、有料版はありません。
⑶無料期間
期間に限定はありません。
⑷勤怠管理データ・従業員データとの連携
データ連携機能はありません。
⑸機能制限
特に制限はありません。
多様な勤務体系(月給、日給など)の管理、社会保険・労働保険の設定、WEBでの給与明細の配布などの基本的な機能を備えています。
⑹サポート
公式サイトに特に記載はありません。
⑺入力データの専門家チェック・業務代行
給与計算データの専門家チェックについて、公式サイトに特に記載はありません。
⑻総合評価
算定基礎届などの書類も自動作成でき、毎年変わる保険料率のほか、税制や法改正にも自動対応でバージョンアップしています。
利用規約には、「利用者情報を個人または法人が特定されない形式の情報に加工したうえで」、「統計情報として分析」、「マーケティング(興味関心連動型(インタレストマッチ)広告の表示」、「行動分析的手法(ビヘイビア・アナリシス)に基づく商品やサービスのご案内を含みます)」、「利用者同士のマッチングサービス」などに利用できることが記載されています。
⑤給与明細.net
「給与明細.net」は、「弥生の給与明細オンライン」への移行を促進するために提供される、給与明細の作成に機能を絞ったシンプルなツールです。
引用:給与明細.net
⑴ランニングコスト
無料。
⑵有料ツール移行後の料金
「弥生の給与明細オンライン」(従業員10名まで)
- セルフプラン 初年度無料 22,000円/年(税込)
- トータルプラン 初年度18,350円/年(税込) 36,700円/年(税込)
⑶無料期間
期間に限定はありません。
⑷勤怠管理データ・従業員データとの連携
勤怠データ、従業員データとのデータ連携はありません。
有料の「弥生の給与明細オンライン」にも勤怠データの連携による取得機能はありません。
⑸機能制限
給与明細の作成に特化しており、特に制限はありません。
⑹サポート
無料版には、操作サポートサービスがありません。
⑺入力データの専門家チェック・業務代行
給与計算データの専門家チェックについて、公式サイトに特に記載はありません。
⑻総合評価
給与明細の作成機能に特化し、有料の「弥生の給与明細オンライン」も少人数事業所向けにシンプルな機能になっています。
給与計算や年末調整時のアウトソーシングについて、公式サイトに特に記載はなく、必要に応じて別途、社会保険労務士などに依頼する必要があるでしょう。
⑥給与ねっと
「給与ねっと」は、「freee人事労務」への移行を促進するために提供される、給与明細の作成に機能を絞ったシンプルなツールです。
引用:給与ねっと
⑴ランニングコスト
無料。
⑵有料ツール移行後の料金
「freee人事労務」
- ベーシック
3,980 円 / 月 47,760円/年 月払い 4,480円/月 従業員料金一人 500円/月 - プロフェッショナル
8,080 円 / 月 96,960円/年 月払い9,280円/月 従業員料金一人 700円/月
⑶無料期間
期間に限定はありません。
⑷勤怠管理データ・従業員データとの連携
勤怠データ、従業員データとのデータ連携はありません。
有料の「freee人事労務」では、スマホ・PCから出退勤を打刻、その他の入力にも対応しています。
⑸機能制限
給与明細の作成に特化しており、特に制限はありません。
⑹サポート
無料版には、サポートサービスがありません。
⑺入力データの専門家チェック・業務代行
給与計算データの専門家チェックについて、公式サイトに特に記載はありません。
⑻総合評価
給与明細の作成機能に特化しています。
給与計算や年末調整時のアウトソーシングについて、公式サイトに特に記載はなく、必要に応じて別途、社会保険労務士などに依頼する必要があるでしょう。
有料の「freee人事労務」ではWEB給与明細、銀行振込データ作成、社会保険・労働保険の申告書作成・電子申請などに対応しています(アウトソースプランは料金別途)。
2-2 有料クラウドツール『RoboRoboペイロール』との比較
『RoboRoboペイロール』は、給与の自動計算・給与明細作成ツールと、社労士チェックや業務代行がワンセットになった有料のクラウドサービスです。
勤怠システムからデータを取り込み、従業員情報も参照して給与の自動計算ができ、社労士によるチェック、年末調整の業務代行などもクラウドで利用可能なツールです。
⑴ランニングコスト
初期費用なし。
従業員200名まで、1人あたり月額1,000円。
従業員201名以上の企業は別途相談。
⑵勤怠管理データ・従業員データとの連携
勤怠管理システムは今のままで、勤怠データを取得して、複雑な勤務体系でも自動計算が可能です。
給与計算に必要な人事情報も管理でき、管理画面上で従業員情報を参照して計算を行います。
⑶給与計算・年末調整の機能
複雑な勤務体系や、複数の勤務体系がある場合にも、ツールでの自動計算で対応し、計算結果は社労士によるチェックを受けられます。
⑷給与明細
WEB給与明細をクラウドで発行でき、送信や印刷、保管ができます。
⑸労働保険・社会保険
サービスには社会保険労務士による一次チェックが含まれており、業務のアウトソーシングもクラウド上で依頼できます。
⑹サポート
導入から運用までフルサポート。
⑺入力データの専門家チェック・業務代行
社会保険労務士による監修と毎月の給与計算結果のチェックがあり、労働基準法などの法改正への対応も随時行います。
別途オプションで年末調整代行などの繁忙期のみのアウトソーシングも可能です。
安いコストで、給与計算・労務管理業務を効率化でき、トータルコストを抑えることが可能です。
2-3 【期間限定】無料で使える給与計算ソフトおすすめ3選
期間限定で無料の給与計算ソフトについて、紹介していきます。
期間限定で無料のソフトは、実質的には有料ソフトの無料期間と言えるでしょう。
これらは一種の割引、お試し期間と考えるべきで、有料ツールとして検討を行い、他の有料ツールとの比較をするべきものでしょう。
有料クラウドツールとして、『RoboRoboペイロール』の紹介もしましたので、料金や機能、専門家チェックやアウトソーシングも含めた、給与計算業務のトータルコストで比較することをおすすめいたします。
料金 | 特徴 | 勤怠連携 | 人事連携 | 給与計算・社保 | 専門家チェック | 業務代行 | |
RoboRoboペイロール (オープンアソシエイツ) |
初期費用なし。 ~200名 1人あたり1,000円 / 月 201名~ お問い合わせ |
個人事業から大企業までに対応。 人数制限なし。 |
利用中の勤怠管理システムから、 アカウント情報を共有し毎月自動 で勤怠データを収集。 |
給与計算に必要な人事情報管理機能。 管理画面上で従業員情報を一元管理 (入社、在職中、退社)。 |
給与明細はクラウドで発行し、メール送信、 PDF出力、印刷も可能。 |
社会保険労務士による監修と毎月の給与計算 結果の1次チェック。 労働基準法改正に伴う給与計算変更にも随時 対応。 |
提携社労士法人による導入から運用までフルサポート、 導入前に丁寧なヒアリングを実施。 別途オプションで年末調整代行。 |
やよいの給与計算23 | セルフプラン 1年間無料 22,000円/年(税込)~ |
登録従業員数30名 推奨従業員数~20名程度 |
勤怠データは手入力。 | 給与計算に必要な従業員情報を8つの タブで管理。 |
給与支払報告書、源泉徴収票、給与明細書 などを印刷。PDF出力。 社会保険の算定基礎届などを自動作成。 |
記載なし。 | トータルプランには、マイナンバー相談、労務相談。 別途、振込代行サービス(330円/件)。 |
freee人事労務 | ベーシック 3,980 円 / 月 47,760円/年 従業員料金一人 500円/月~ |
個人事業主から200人以上にも対応。 | スマホ・PCから出退勤を打刻、 その他の入力にも対応。 |
雇用契約書など必要書類をペーパー レス化、弁護士が作成した契約書テン プレートで、クラウド上で書類保管。 |
WEB給与明細と、PDF出力、印刷。 銀行振込データ作成。 社会保険、労働保険の申告書作成、e-gov 電子申請。 |
記載なし。 | 人事労務を丸投げできるアウトソースプラン(料金別途)。 |
マネーフォワード クラウド給与 |
個人向けプラン800円/月(年額 9,600 円) 小規模事業者2,980円/月 35,760円/年~ |
個人事業から中堅企業にまで対応。 | マネーフォワードクラウド勤怠 の集計データと連携。 |
人事サービスとデータ連携。 | WEBで給与明細・賞与明細・源泉徴収票を 確認。 給与振込用データ出力。 社保ソフトは別途 |
社会保険労務士、税理士の公認メンバー制度 での紹介。 |
新規開業者向けサポート。 |
① RoboRoboペイロール
『RoboRoboペイロール』は、給与の自動計算・給与明細作成ツールと、社労士チェックや業務代行がワンセットになった有料のクラウドサービスです。
勤怠システムからデータを取り込み、従業員情報も参照して給与の自動計算ができ、社労士によるチェック、年末調整の業務代行などもクラウドで利用可能なツールです。
⑴ランニングコスト
初期費用なし。
従業員200名まで、1人あたり月額1,000円。
従業員201名以上の企業は別途相談。
⑵勤怠管理データ・従業員データとの連携
勤怠管理システムは今のままで、勤怠データを取得して、複雑な勤務体系でも自動計算が可能です。
給与計算に必要な人事情報も管理でき、管理画面上で従業員情報を参照して計算を行います。
⑶給与計算・年末調整の機能
複雑な勤務体系や、複数の勤務体系がある場合にも、ツールでの自動計算で対応し、計算結果は社労士によるチェックを受けられます。
⑷給与明細
WEB給与明細をクラウドで発行でき、送信や印刷、保管ができます。
⑸労働保険・社会保険
サービスには社会保険労務士による一次チェックが含まれており、業務のアウトソーシングもクラウド上で依頼できます。
⑹サポート
導入から運用までフルサポート。
⑺入力データの専門家チェック・業務代行
社会保険労務士による監修と毎月の給与計算結果のチェックがあり、労働基準法などの法改正への対応も随時行います。
別途オプションで年末調整代行などの繁忙期のみのアウトソーシングも可能です。
安いコストで、給与計算・労務管理業務を効率化でき、トータルコストを抑えることが可能です。
➁ やよいの給与計算23
「やよいの給与計算23」は、登録従業員数30名(推奨従業員数は20名程度)までの、小規模事業所向けの有料クラウドツールです。
あくまでも有料ツールであり、初年度は無料という料金設定になっています。
したがって有料クラウドツールとして、他の給与計算ソフトとの比較検討をするのがよいでしょう。
引用:やよいの給与計算23
⑴有料ツール移行後の料金
- セルフプラン 初年度無料 5,400円/年(税込)
- ベーシックプラン 初年度7,900円/年(税抜) 次年度 15,800円/年(税抜)
- トータルプラン 初年度13,450円/年(税抜) 次年度 26,900円/年(税抜)
⑵無料期間
1年間
⑶勤怠管理データ・従業員データとの連携
勤怠データは手入力となっています。
データはエクスポートが可能で、テキストデータでのインポートにも対応しています。
⑷機能制限
無料期間中も、特に制限はありません。
⑸サポート
「安心保守サポート」のサービスがあります。
⑹入力データの専門家チェック・業務代行
入力データの専門家チェックについて記載はなく、別途、社会保険労務士などの専門家に依頼する必要があります。
トータルプランを別途申し込めば、マイナンバー相談、労務相談があります。
別途、振込代行サービスを行っています(330円/件)。
「起業・開業ナビ」などのサイトでの税理士紹介サービス等もあり、別途、依頼することが必要です。
⑺総合評価
給与支払報告書、源泉徴収票、給与明細書などを印刷のほか、PDF出力することができます。
社会保険の算定基礎届などを自動作成することが可能です。
②freee人事労務
「freee人事労務」は、あくまでも有料の給与計算クラウドツールです。
従業員20名以内の場合に30日無料お試しがあるものの、無料期間終了後には有料ツールに移行します。
個人事業主から従業員200人以上の企業にまで対応する、人事・労務・給与計算クラウドツールです。
引用:freee人事労務
⑴有料ツール移行後の料金
- ベーシック
3,980 円 / 月 47,760円/年 月払い 4,480円/月 従業員料金一人 500円/月 - プロフェッショナル
8,080 円 / 月 96,960円/年 月払い9,280円/月 従業員料金一人 700円/月
⑵無料期間
30日間
⑶勤怠管理データ・従業員データとの連携
スマホ・PCから出退勤を打刻して入力でき、その他の入力にも対応しています。
雇用契約書など必要書類をペーパーレス化し、クラウド上で書類保管でき、給与計算ツールから参照可能です。
⑷機能制限
無料期間中も、特に制限はありません。
⑸サポート
各種設定から通常運用まで、専任のサポートが担当し、チャットサポート、電話サポートなどが受けられます。
⑹入力データの専門家チェック・業務代行
給与計算データの専門家チェックについて、公式サイトに特に記載はありません。
別途、社会保険労務士などの専門家に依頼する必要があります。
別途、人事労務を丸投げできるアウトソースプランが用意されています。
料金は内容により別途かかります。
⑺総合評価
Web給与明細、銀行振込データの作成や、年末調整の帳票出力、社会保険・労働保険の申告書作成・e-Gov電子申請などが可能です。
③マネーフォワードクラウド給与
「マネーフォワードクラウド給与」は、あくまでも有料の給与計算クラウドツールです。
1か月間の無料お試しがあるものの、無料期間終了後には有料ツールに移行します。
個人事業から中堅企業にまで対応するクラウドツールです。
⑴有料ツール移行後の料金
- 個人向け年額プラン 800円/月(年額 9,600 円)
- 小規模事業者 2,980円/月 35,760円/年 月額プラン3,980円/月
- 中小企業年額プラン 4,980円/月 59,760円/年 月額プラン5,980円/月
従業員数51名以上などは別途かかります。
「クラウド勤怠」、「クラウド人事管理」、「クラウド会計」、「クラウド経費」の利用には、それぞれ別途費用がかかります。
⑵無料期間
1か月
⑶勤怠管理データ・従業員データとの連携
「マネーフォワードクラウド勤怠」と連携し、勤怠データを取り込んで集計できます。
「クラウド人事管理」とも連携し、従業員データを取り込みます。
⑷機能制限
無料期間中も、特に制限はありません。
⑸サポート
新規開業者向けサポートがありますが、それ以外については公式サイトに特に記載はありません。
⑹入力データの専門家チェック・業務代行
専門家チェックについて公式サイトに特に記載はなく、別途、社会保険労務士などの専門家に依頼する必要があります。
社会保険労務士、税理士の公認メンバー制度での紹介があります。
アウトソーシング費用は別途かかります。
⑺総合評価
Webで給与明細・賞与明細・源泉徴収票を確認でき、給与振込用データの出力も可能です。
「マネーフォワードクラウド社会保険」と連携すれば、社会保険の書類作成、電子申請も可能です。
3 無料の給与計算ソフトを利用するメリット
無料の給与計算ソフトについて、機能や人数などの制限、期間限定の無料ソフトなどの比較検討を行ってきました。
無料の給与計算ソフトのメリットとして考えられる点をみていきましょう。
①コストがかからない
機能制限や利用者数、利用期間に制限があったとしても、無料ソフトであればコストがかからずにすぐに利用を開始することができます。
当然、無料がメリットであるのはいうまでもありません。
ただしいずれ有料ツールに移行しなければならない可能性は、最初から考えておく必要があります。
例外的に、無料ソフトでも制限なく使い続けられるツールでは、利用規約に注意して、納得できる場合には割り切って使用してもよいでしょう。
②余計な機能がついていない
無料ソフトでは多くの場合、機能に制限があります。
ただし余計な機能が付いていない分、使い方もシンプルです。
たとえば給与明細作成ツールでは、勤怠データとの連携や、従業員情報などのデータベース機能はありません。
毎回、手入力をしなければならないとはいえ、シンプルなソフトで、動作も軽快、誰でも使える機能と割り切れば、メリットともいえます。
4 無料の給与計算ソフトを利用するデメリット
機能制限や利用者数の制限がある以上、無料の給与計算ソフトには、多くのデメリットもあります。
①最低限の機能しか利用できない
機能の制限があるために、毎月の給与計算に必要な、最低限の機能しかありません。
無料の給与計算ソフトにはない機能を使用しようと考えたら、手作業で行う、有料ツールに移行する、別のソフトも利用する、アウトソーシングで行うといった方法を考えなければなりません。
利用者の人数に制限があれば、制限人数に達した時点で必要機能を満たせません。
②データが長期間保存できない
無料ソフトの多くには、長期間データを保存できないといった制限や、免責事項もあります。
給与計算は、従業員が在籍している限りずっと継続して行われるものです。
人事データと連携している給与計算ツールでは、入社から退職までの長期間にわたって、データを管理することができます。
無料の給与計算ソフトでデータを保管できる期間を過ぎれば、過去のデータ参照が制限されます。
中にはデータ保存期間が3か月という無料ソフトもありますが、過去一年間の給与支給実績に基づく年末調整などにも対応できません。
この場合、紙の給与明細などを保管して、手計算で対応する必要があるためデメリットといえます。
③ 有人サポートを受けられない場合が多い
無料ソフトではサポートにも限界があり、チャットサポートなどの有人サポートを受けられないといったデメリットがあります。
法改正や、データチェックなどの対応も、自分で専門家などに相談し、別途依頼しなければならないことが考えられます。
お試し期間を使ってみるのがおすすめ
無料の給与計算ソフトを期間が過ぎた後も使い続けるためには、有料ツールに移行しなければなりません。
最初から、有料ソフトの使用を前提として無料期間のある給与計算ソフトを使う場合は問題ありません。
ただし、比較的ランニングコストの安い有料の給与計算ツールを、同時に比較検討したうえで給与計算ソフトを選ぶ必要があります。
『RoboRoboペイロール』は、安いランニングコストで給与計算ができるだけでなく、専門家チェック、法改正対応、年末調整などの外注や設定代行までができるツールです。
次章にて無料の給与計算ソフトと有料の給与計算ソフトである『RoboRoboペイロール』を比較するため、有料の給与計算ソフトの機能やメリットを確認しましょう。
5 無料の給与計算ソフトと有料の給与計算ソフトの比較
無料の給与計算ソフトと有料の給与計算ソフトには、次のような違いがあります。
サポートの違い
有料ツールの無料期間では、通常と同様のサポートがあるケースがほとんどです。
しかしそれ以外の無料ソフトでは、サポートがない、もしくはかなり限定されています。
有人のサポートがないと、ソフトの設定や操作に手間取ったり、設定を間違えれば給与計算ミスなどの原因となる可能性もあります。
有料の給与計算ソフトである『RoboRoboペイロール』では、導入時や運用でのサポートがあるほか、専門家のサポートもあり、社会保険労務士による毎月のデータの一次チェックなどを受けることが可能です。
利用可能人数の違い
無料ツールでは、利用できる人数に制限がある場合が多くあります。
人数が増えると有料ツールに移行する無料の給与計算ソフトがほとんどです。
人数制限は、給与計算の対象となる従業員数のほか、ソフトを利用できる担当者の人数制限もあります。
業務を一人に任せるとミスや不正の要因にもなりうるため、クラウドツールで複数人、複数部署で情報を共有して利用できることが理想です。
『RoboRoboペイロール』では、人数に制限がなく中小企業から大企業までが導入でき、クラウドで情報共有することが可能です。
データの保管期間
無料ツールの中には、有料ツールを利用する顧客を集め、囲い込むための販促手段のようなサービスもあります。
データの保存期間にも比較的短期の制限があるため、継続して提供される有料ツールに比べれば保管期間が短いといえるでしょう。
給与計算はずっと続く業務であり、従業員情報などの人事データは長期に保管されるため、データは高いセキュリティで、長期間蓄積されるべきものです。
『RoboRoboペイロール』は、国際規格ISMSに準拠した高いセキュリティで従業員データ、給与計算データも含めて保管・管理が可能です。
データの汎用性・連携性
給与計算データ、従業員データのインポート、エクスポートができ、他ツールとの連携が可能なことも、重要なポイントです。
有料ツールの無料期間を除けば、無料の給与計算ソフトでは対応していない場合が多いでしょう。
『RoboRoboペイロール』の場合には、勤怠管理システムは今のままで、利用中の勤怠管理システムから自動で勤怠データを収集可能なほか、CSVデータとしてエクスポートなどが可能です。
専門家の有無
給与計算業務では、法改正、年末調整、社会保険手続きなどの対応に、社会保険労務士のサポートが必要です。
無料ソフトを利用した場合でも、これらの手続きは別途、専門家に依頼する必要があるでしょう。
『RoboRoboペイロール』では、給与計算や社会保険の専門家である社会保険労務士による毎月の一次チェック、法改正時の対応が含まれます。
6 最初から専門家チェックまでついている給与計算クラウドツールを利用するべき?
これまで見てきたように、無料の給与計算ソフトでも、給与計算業務全体を通して無料でできるということはありません。
無料ソフトを使うには、機能や人数で限定があることを知り、割り切って使うしかありません。
また一定規模の会社ともなれば、無料ソフトで給与計算業務を行うことはおすすめできません。
トータルコストで考えても、ランニングコストの安いクラウドツールがおすすめです。
機能が限定された無料ソフトだからこそ、専門家への依頼も必要になる
無料ソフトの多くには、年末調整の機能がない、もしくは不十分です。
年末調整時の作業は、作業量が多くなるため人員が必要であり、ときには税理士や社会保険労務士への外注などを必要とします。
外注する場合は、有料ソフトを使用している場合と比較して無料の給与計算ソフトの方がコストがかかる場合もあります。
給与改定のほか、雇用保険料、社会保険料も保険料率の変更によって変わるため、毎年、従業員ごとに給与支払金額を集計する必要があります。
あわせて、月額変更届、算定基礎届などの書類を作成し、提出しなければなりません。
自社の規模・人数に合ったコスト削減法
どの給与計算ソフトを選ぶ場合でも、機能・人数限定の無料ツールでない限り、コストがかかります。
企業規模とコスト、担当部署の人員や、利用人数、他の部署とのデータ共有などを考慮して、自社の規模に合ったソフトを選定することが大切です。
給与計算ソフトはトータルの業務とコストで選びましょう
法改正、年末調整の代行、社会保険労務士によるチェックができるため、社労士との連携ができるツールであれば便利です
クラウドツールの中には比較的高額なツールもありますが、『RoboRoboペイロール』は従業員1人あたり月額1,000円で、導入までのサポート、社会保険労務士によるチェック、勤怠管理システムとの連携、複雑な給与体系にも対応しています。
7 さいごに|無料の給与計算ソフトに関するまとめ
無料の給与計算ソフトをタイプ別に紹介してきましたが、メリットもある一方でデメリットもあるため、利用する前に、無料で提供されている理由を詳しく知っておく必要があります。
機能の制限や、無料ソフトではできない業務についても検討したうえで、無料ツールと有料ツールを比較することが大切とご理解いただけたことでしょう。
特に有料ツールの無料期間は、いずれ有料ツールの利用に移行することが前提です。
このため最初から有料クラウドツールを利用することも視野に入れ、給与計算の機能、データ連携、専門家チェック、アウトソーシングの活用も含めたトータルコストで比較するのがポイントです。
この記事では給与計算クラウドツールとして『RoboRoboペイロール』を紹介し、機能やメリットも解説しましたが、資料請求の問い合わせをして、詳しい最新情報を入手するのもおすすめです。
8 無料の給与計算ソフトに関するQ&A
給与計算の無料ソフトについて、Q&Aにまとめました。
無料の給与計算ソフトを選ぶ注意点は?
無料の給与計算ソフトがなぜ無料で提供されているかを知り、機能限定なのか、人数限定なのか、期間限定なのかを確認しましょう。特に期間限定の場合には、無料期間の終了後には、有料ツールに移行することになります。
有料ツールも加えた給与計算ソフトを比較検討することが大切です。
さらに、無料ソフトでは対応していない機能について、別途その業務のためにソフトが必要か、外注が必要なのか、コストがかかるのかを検討し、給与計算業務トータルのコストと業務効率化をポイントとしてソフト選びをするのがよいでしょう。
専門家チェックがあるとどのようなメリットがある?
給与計算ツールを使っても、初期設定や、変更の設定には専門知識が必要となることがあります。さらに毎月の給与計算でも、給与規定や法令に沿って正しく計算されているかのチェックが必要で、専門家によるチェックがあればミスの発見にも役立ちます。
法改正や、社会保険料の料率変更などへの対応も、専門家のチェックがあれば安心です。
無料ソフトではできない年間の作業とは?
多くの無料ソフトでは、年末調整業務には対応していないか、不十分です。年末調整は特に業務が煩雑で、従業員への申告書類の配布と回収などの作業も多く、回収後に多くの計算を行うため、人員も必要になります。
社会保険の届出や、納税などの手続きについても、手作業で行う業務が多くなり、無料ソフトで対応できない業務は別途、自社または専門家への外注などで対応することになるでしょう。
コストだけでなく、給与計算ソフトやツールによって、費用対効果、つまりどれだけの業務効率化ができるかも重要なポイントです。
無料ソフトとの比較として『RoboRoboペイロール』も紹介しましたが、作業時間が最大で90%削減できたという報告も多く寄せられています。